第507回 ランナーの膝の外側が痛い原因とは?腸脛靭帯炎を引き起こす5つの硬さ

今回は、姿勢治療家(R)が考える健康の要素、6ヘルス(構造・睡眠・食・運動・精神・呼吸)の中の「構造・運動」の話です。

ランナーの膝の外側が痛いのはなぜ?腸脛靭帯炎を引き起こす“5つの硬さ”とは

こんにちは。
姿勢治療家® 仲野孝明です。

今回は、対談の中でお話しした内容をもとに、ランナーによく起こる膝の外側の痛みについて整理してお伝えします。

ちょうど収録時点では、私は7Days飛脚380の最中。
東海道の空気を感じながら、浜名湖を越え、天竜川を渡り、掛川城を目指して走っていました。

そんな長い移動の中でも改めて感じるのは、走ることは脚力だけの問題ではなく、体全体の使い方の問題だということです。

特に、ランナーの方に多い膝の外側の痛み。
これは単に「走りすぎたから」では片づけられません。
臨床の現場でよく見る**腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)**について話をしました。


膝の外側が痛い人に多い「腸脛靭帯炎」とは

ランナーの方がよく訴える痛みのひとつに、膝の外側や太ももの外側の痛みがあります。

これは一般的に、腸脛靭帯炎と呼ばれるものです。

なぜ起こるのか。
原因はシンプルです。

太ももの外側の筋肉や組織を使いすぎているから。

でも、本当に見なければいけないのはその先です。
なぜ、そこばかり使う体になっているのか。

実は、痛い場所そのものよりも、別の場所の動きづらさや硬さが問題になっているケースが非常に多いのです。


腸脛靭帯炎を引き起こしやすい「5つの硬さ」

臨床でよく見るのは、次の5つの場所の硬さです。

1. 腰が硬い

腰まわりの筋肉が硬くなると、背骨がうまく回らなくなります。
すると骨盤の回旋も出づらくなり、脚を前に出す動作を太ももの外側だけで無理やり行うようになります。

本来は、背骨・骨盤・股関節が連動して動くべきです。
そこが止まると、どこか一か所に負担が集中します。

2. 股関節の内側が硬い

内転筋や腸腰筋が硬いと、脚を引き上げる時に本来使いたい場所が働きません。
その結果、外側の筋肉ばかり使って脚を持ち上げるようになります。

つまり、脚が上がらないから頑張るのではなく、
上げるための通り道が悪いから、外側で代償しているのです。

3. 太ももの裏(ハムストリング)が硬い

ここが硬いと、膝を上手に曲げられません。

膝が曲がらない脚は、まるで長い棒のようになります。
長い棒を振るのは大変です。短くたためる脚よりも、当然エネルギーがかかります。

結果として、振り出しが重くなり、膝の外側や太ももの外側への負担が増えていきます。

4. ふくらはぎが硬い

ふくらはぎが硬いと、接地してから離地するまでの流れが遅くなります。

イメージとしては、縄跳びで軽く弾むのではなく、ベタベタと地面に張りつくような動きです。

こうなると、脚を一生懸命前に運ばないと進めなくなります。
これもまた、太ももの外側の過剰な働きにつながります。

5. 股関節の外側・お尻側が硬い

股関節の外側、お尻の横あたりが硬いことも大きな原因のひとつです。

この部分が詰まると、骨盤や股関節の動きが小さくなり、脚の出し方が雑になります。
その結果、膝の外側に余計なねじれや摩擦が起きやすくなります。


自分でできる簡単チェック方法

では、自分の体がそうなっているかどうか。
これはある程度、自分でもチェックできます。

前屈してみる

前屈で手が床につかない人は、
太ももの裏やふくらはぎが硬い可能性があります。

もちろん、手がつく・つかないだけで全ては決まりません。
ただ、走る上で必要な柔軟性が不足しているサインにはなります。

膝やつま先の向きを見る

立った時や歩いた時に、膝が外を向いている人、いわゆるガニ股傾向のある人は、外側に負担が集まりやすくなります。

足先の向き、膝の向き、股関節の動き。
このあたりがズレていると、走った時のトラブルは起きやすくなります。


足が上がらないのは、筋力不足だけではない

「最近つまずきやすい」
「昔より足が上がらない」
そう感じている方は少なくありません。

でも、これは単純に筋力が落ちたからとは限りません。

実際には、膝がうまく曲がらないほど硬くなっていることが原因のケースも多いです。

先日も、40代の男性がスマホを見ながら歩いていて、少しの傾斜でつまずいて転びました。
これは注意不足だけではなく、体の使い方の問題でもあります。

足を上げる力がないというより、
上げたくても上がらない体になっている。

ここを見誤ると、鍛えるばかりで改善しません。


「硬くても大丈夫」という情報を探したくなる気持ちは分かる。でも…

体が硬い人ほど、
「硬くても問題ない」
「柔らかさは関係ない」
そういう情報を探したくなることがあります。

でも、私はやはりはっきり言います。

柔らかい方が、結果は良いです。

もちろん、ただベタベタに伸ばせばいいという話ではありません。
大事なのは、必要な場所が、必要なだけ動くことです。

ただ少なくとも、硬くて動かないまま走れば、
どこかに無理が出る確率は上がります。


ストレッチは「得意な方」ではなく「苦手な方」を多めに

ストレッチをする時、多くの方がついやってしまうのが、
伸ばしやすい方、気持ちいい方ばかりをやることです。

でも、本当に見るべきなのは逆です。

苦手な方こそ、少し多めにやる。

左右差を見て、やりにくい方、動かしづらい方、詰まる方に意識を向ける。
この積み重ねが、10年後、20年後、そして100歳まで体を使っていく上で大きな差になります。


走っている時の違和感は、体からのシグナル

走っていて違和感が出た時、
「気のせいかな」
「走っていればそのうち慣れるかな」
と流してしまう方も多いです。

でも、違和感は体からのサインです。

足先の向きを少し変えてみる。
接地の仕方を見直してみる。
股関節が詰まっていないかを感じてみる。

そうやって、今の自分にとって正しい使い方を探すことが大切です。

痛みは、壊れたから出るとは限りません。
間違った使い方を続けていますよ、というメッセージでもあります。


まとめ|膝の痛みは「膝の問題」とは限らない

ランニング中の膝の外側の痛みは、膝だけを見てもなかなか解決しません。

  • 腰は動いているか

  • 股関節の内側は硬くないか

  • ハムストリングは詰まっていないか

  • ふくらはぎは弾める状態か

  • お尻まわりは固まっていないか

こうした全体のつながりを見ることで、はじめて本当の原因が見えてきます。

走ることは、人間にとって本来の移動手段です。
だからこそ、痛みを我慢しながら続けるのではなく、本来の使い方に戻していくことが大事です。

「最近、膝の外側が気になる」
「走ると太ももの外が張る」
そんな方は、ぜひ一度、痛い場所ではなく動いていない場所に目を向けてみてください。

姿勢が変わると、人生が変わる。
体の使い方が変わると、走り方も、日常も、未来も変わっていきます。

体を見直す時間は、人生を見直す時間です。

 

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投稿者プロフィール

仲野 孝明
仲野 孝明
姿勢治療家Ⓡ 創設者
【姿勢が変わると、人生が変わる。】
Your Posture makes Your Life.
可能性を最大限に引き出します。

仲野孝明公式ブログにて役立ち健康情報や姿勢が人生にもたらす影響
正しい姿勢があれば何でもできるとモットーに挑戦している事など
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