UTMB CCC完走記|101kmを26時間。姿勢治療家が感じた「調子のいい姿勢」の力

こんにちは。
姿勢治療家®の仲野孝明です。

今回は、世界中のトレイルランナーが憧れる大会、UTMB CCC に挑戦してきたお話です。

UTMBとは、フランス・シャモニーを中心に開催される、世界的なトレイルランニングの大会です。

その中で私が今回出場したのは、CCC というレース。

イタリアのクールマイヨールをスタートし、スイス、フランスを通って、最後はシャモニーにゴールするコースです。

距離は約101km。
制限時間は26時間30分。

結果は、無事完走。

ただし、タイムは約26時間。
本当にギリギリの完走でした。

UTMBを初めて知ったのは2012年

私がUTMBという言葉を初めて知ったのは、2012年でした。

当時、三重県にいた高校の同級生が、富士山の周りを走る大会に出るということで、応援に行ったことがきっかけでした。

その大会では、大人たちが160km、170kmという距離を、2泊3日かけて走り続けていました。

正直、最初は思いました。

「なんで、こんなに走るんだろう?」

でも、ゴールに戻ってくる選手たちを見て、その印象は変わりました。

みんなヘロヘロになりながら、涙を流してゴールしてくる。

その姿を見て、

「こんな大人がいるんだ」

と衝撃を受けました。

その時に初めて、トレイルランニングという世界を知りました。

そして、その先にある憧れの大会として、UTMBという名前が頭の中に残りました。

CCCとは?イタリア・スイス・フランスを越える101kmのレース

今回私が出場したCCCは、UTMB本体よりも距離は短いものの、それでも101kmを走るウルトラトレイルです。

スタートはイタリアのクールマイヨール。
そこからスイスを通り、最終的にフランスのシャモニーへ向かいます。

つまり、1つのレースの中で、3つの国を越えていく大会です。

UTMB本体は約160kmを走るレースですが、CCCも決して簡単な大会ではありません。

制限時間は26時間30分。

寝ている余裕はほとんどありません。

チェックポイントごとに足切り時間があり、その時間内に通過しなければレースを続けることはできません。

食事をする。
水を補給する。
靴下を直す。
トイレに行く。

その程度の時間はありますが、ゆっくり休んでいる余裕はありません。

淡々と進み続けること。

これがとても大事でした。

日中30度、夜は7〜8度。服装と装備の判断が命を守る

今回のレースで難しかったことの一つが、気温差です。

日中は30度近くまで上がります。
しかし、夜中になると7度、8度まで下がります。

暑さにも寒さにも対応しなければいけません。

私はこれまで、暑さによるトラブルも経験してきました。

だからこそ今回は、
「この心拍の上がり方は危ない」
「この暑さは早めに対処した方がいい」
という感覚がありました。

結果として、服装はかなりうまくいきました。

自分の中では、ほぼ100点に近い装備でした。

動いていれば寒くない。
暑くなりすぎたら早めに調整する。
夜間も想定内の寒さで収まる。

装備は、ただ高価なものを持てばいいわけではありません。

自分の身体の反応を知り、自分の体に合った選択をすること。

これは長距離レースでも、日常生活でも同じです。

26時間走ると、人の身体の使い方が見えてくる

今回のレースでは、自分が走るだけでなく、周りの選手の身体の使い方をずっと観察していました。

26時間、人の走り方を見続ける。

これは姿勢治療家として、非常に面白い時間でした。

下りが速い人と遅い人では、身体の使い方が違います。

足の置き方。
重心の運び方。
股関節の使い方。
体幹の安定感。
背中の使い方。
疲れてきた時の姿勢の崩れ方。

見ていると、
「この人はここが痛くなりそうだな」
「この走り方だと後半きつそうだな」
ということが分かってきます。

速い選手には、やはり共通点があります。

それは、力任せではないこと。

身体全体が連動していて、無駄なブレーキが少ない。

まさに、私が普段から伝えている
「調子のいい姿勢」
に近い身体の使い方でした。

練習量が少なくても完走できた理由

よく驚かれるのですが、私はトレイルランナーとしては練習量が多い方ではありません。

100マイルを走るような選手は、月間300km、400km走る方も多いと思います。

一方で私は、仕事をしながらの練習です。

月間40kmから80kmほどのこともあります。
練習だけで100kmを超えることは、ほとんどありません。

それでも今回、101kmのCCCを完走できました。

その理由を一言で言うなら、

「調子のいい姿勢」のおかげ

だと思っています。

もちろん、根性だけで走れる距離ではありません。

装備、補給、経験、ペース配分、暑さ寒さへの対応。
すべてが必要です。

でも、その土台にあるのは、身体の使い方です。

姿勢が崩れれば、余計な力を使います。
余計な力を使えば、疲労が早くきます。
疲労が早くくれば、痛みや故障につながります。

長い距離を走るほど、身体のごまかしは効かなくなります。

だからこそ、姿勢の力が試されます。

「姿勢」は止まっている形ではなく、動き続ける力

姿勢というと、多くの方は「きれいに立つ形」をイメージするかもしれません。

しかし、私が考える姿勢は、それだけではありません。

姿勢とは、
動き続けるための身体の土台
です。

登る時。
下る時。
疲れてきた時。
眠くなった時。
寒くなった時。
足が重くなった時。

そのたびに、自分の身体を感じながら修正していく。

「今、どこに力が入りすぎているのか」
「どこが動いていないのか」
「重心が落ちていないか」
「背中が使えているか」
「股関節が固まっていないか」

この内側の確認ができることが、長距離ではとても大きな力になります。

人に聞くことの大切さも学んだ

今回の挑戦では、いろいろな方からアドバイスをいただきました。

一緒に練習に連れて行ってくれた方。
下り方を教えてくれた方。
装備やレースの進め方を教えてくれた方。

その細かいアドバイスが、本当に役に立ちました。

改めて感じたのは、

人に聞くことは、とても大事だということ。

自分一人で考えていると、どうしても視野が狭くなります。

経験者に聞く。
実際にやっている人に聞く。
その上で、自分の身体で試してみる。

これは、姿勢改善も同じです。

自分では普通だと思っている身体の使い方が、実は痛みや不調の原因になっていることがあります。

だからこそ、自分の身体を客観的に見てもらうことが大切です。

ゴールで涙が出た理由

ゴールのシャモニーは、町全体がお祭りのようでした。

世界中から集まった選手と、その家族、応援の人たち。

最後のゴールゲートに向かう時、町中から声援が聞こえます。

私はその時、自分でライブ配信をしながらゴールしていました。

映像では分かりにくかったかもしれませんが、実は泣いていました。

レース中は、何度も
「やめようかな」
と思います。

振り返れば淡々と進んだように見えても、その瞬間瞬間では、苦しい時間が何度もあります。

眠い。
足が重い。
時間がない。
まだ終わらない。
やめたい。

それでも、一歩ずつ進む。

そしてゴールにたどり着いた時、自然と涙が出ました。

これはレースではなく、姿勢の実験だった

私にとって、UTMB CCCは単なるレースではありません。

これは、姿勢の実験でした。

人間の身体は、正しく使えばどこまで動けるのか。
年齢を重ねても、身体はどこまで応えてくれるのか。
少ない練習量でも、身体の使い方でどこまで補えるのか。

もちろん、私の姿勢が完璧だったわけではありません。

レース中も、
「あ、ここが動かない」
「やっぱりここが固まるな」
と感じる場面は何度もありました。

だからこそ面白いのです。

身体は、常に答えを教えてくれます。

痛みも、疲労も、動きにくさも、すべて身体からのメッセージです。

それを無視するのではなく、読み取り、修正していく。

これが、姿勢治療家として私が伝えたい身体の向き合い方です。

まとめ|長く動ける身体は、日々の姿勢からつくられる

UTMB CCC、101km、約26時間。

この挑戦を通して、改めて感じたことがあります。

長く動ける身体は、特別な人だけのものではありません。

日々の姿勢。
身体の使い方。
疲れた時の修正力。
自分の身体を観察する力。

それらを積み重ねることで、身体は変わります。

走る人だけではありません。

仕事で疲れやすい方。
腰痛や膝痛がある方。
年齢とともに体力の低下を感じている方。
これからも自分の足で動き続けたい方。

すべての人にとって、姿勢は人生の土台です。

体を見直す時間は、人生を見直す時間である。

姿勢治療家®
仲野孝明

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