食べ物が飲み込みづらくなったのは姿勢が原因??【誤嚥と姿勢】|姿勢治療家が伝える正しいカラダの使い方【骨格】

日本姿勢構造機構 理事
姿勢治療家HEAD OFFICE
浅川 修一郎です。

「水を飲んだ時に咳き込みやすくなった。」
「食べ物が飲み込みづらくなった。」
こんな症状が出ていたら、今までのカラダの使い方を振り返る必要があるかもしれません。

そんな今回のテーマは誤嚥と姿勢です。

「物を食べる」ことは、食べ物を「認識し」「口に入れ」「噛んで」「飲み込む」までの一連の動作からなります。このうちの「飲み込む」という動作が「嚥下(えんげ)」にあたります。
食物や唾液は、口腔から咽頭と食道を経て胃へ送り込まれます(嚥下)。食物などが、なんらかの理由で、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態を誤嚥(ごえん)と呼びます。誤嚥は肺炎の原因ともなります。
(参照:日本気管食道科学会 http://www.kishoku.gr.jp/public/disease05.html

嚥下には3つの過程があります。

口腔期…舌の運動で食べ物を口の中から喉の方へ送る
咽頭期…食べ物を喉(咽頭)から食道に送る(ここで嚥下反射が起こり、気道が塞がれます。)
食道期…食道の蠕動運動により食べ物を胃まで運ぶ

咽頭期の嚥下反射では、喉頭(いわゆる喉ぼとけ)を挙上し、喉頭蓋が喉頭口にふたをして、下気道を密閉します。同時に軟口蓋はぴんと張って挙上し、咽頭後壁に平行に密着して、上気道を密閉します。

この瞬間に活動している筋肉は、顎舌骨筋、顎二腹筋、甲状舌骨筋です。
顎舌骨筋と顎二腹筋は、顎の裏側から舌骨と呼ばれる喉ぼとけの少し上にある骨に付着します。
甲状舌骨筋は、舌骨から喉頭(喉ぼとけ)に付着します。

嚥下時には、顎舌骨筋と顎二腹筋の働きより舌骨が引き上げられ、続くように甲状舌骨筋の働きで喉頭が引き上げられて、喉頭蓋が喉頭口にふたをして、下気道を密閉します。

 

実際に感じてみましょう^^

喉ぼとけの少し上に触れて、唾液を飲み込んでみて下さい。
舌骨と喉ぼとけが持ち上がるのが分かりますか??
それが肺に繋がる気道を閉じている瞬間です。

これらの身体の反応が上手く起こらず、気道を密閉できなかった時に誤嚥は起こります。

 

では、どのような姿勢が誤嚥を引き起こしやすくなるでしょうか??

それは体幹部に対して頭部が前に出ている姿勢です。
頭部が前に出ていると、頭を支える為に、頸部の筋群は緊張し、硬くなります。
顎舌骨筋、顎二腹筋、甲状舌骨筋も同様に緊張し、硬くなります。

実感してみましょう^^

頭を上に引き上げた状態で、首や顎の下の筋肉に触れて下さい。
頭を前に出した状態で、首や顎の下の筋肉に触れて下さい。
どちらが硬く感じましたか??
頭を前に出した状態の方が硬く感じませんでしたか??

筋肉は硬くなると、伸び縮みしづらくなり、力を発揮できなくなります。

筋肉が硬くなるような身体の使い方を続けていると、嚥下の際に、スムーズに舌骨と喉頭が挙上出来ず、誤嚥を引き起こす可能性があります。

 

「なんとなく飲み込みづらくなったな」
「最近、水飲むと良く咳込むかも…」
そんな風に感じ始めたら、筋肉が硬くなっているサインです。

正しい姿勢で身体に負担をかけない使い方を実践してみましょう!!

正しい姿勢がとりづらかったり、保ちづらい場合は治療が必要ですよ^^

 

 

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