【治すだけが目的ではない:臨床レポート】3か月前から左脇から左腰に違和感、1ヶ月前から足先・足裏に痺れを感じる

36歳 女性 アパレル(フリーランス)
左脇から左腰にかけての違和感(張る感じ) 3ヶ月前~
両足先・足裏の痺れ 1か月前~

3ヶ月前から左脇から左腰にかけて張るような違和感を感じるようになり、更に1ヶ月前から足先・足裏に痺れを感じるようになったそうです。
普段、ヨガや筋トレをしていたのでそれが原因なのではないかと不安になり来院されました。

【初診 2019年5月】

現在困っている事や日常生活について伺っていきます。

・足裏の痺れ
・両手の痺れがまた出そう(4~5年前に手根管症候群と診断された)
・左腰の違和感をなくしたい
・足がむくんでいる感じがする
・カラダをしっかり治したい
・ヨガを続けていていいのか不安
・ヨガは2年前から始めた、1年前からは筋トレのようなものを1時間取り組んでいる
・ヨガの最中は1.5Lくらい水を飲んでいる
・2週間ヨガ行っていなかった時、痺れが弱まった感じがした
・平日は会社で週3回勤務 10時~18時、週2回は在宅ワーク
・土日は休みにしている
・ノートPCを使っている
・毎日缶ビール3本

≪全身の検査≫
関節の可動範囲は、正しい使い方が出来ていれば正常な可動範囲に、間違った使い方が積み重なると可動範囲に異常が生じます。関節の可動範囲には、からだの使い方の歴史が現れます。
今まで生活の中で、どのような身体の使い方が得意だったのか、また苦手だったのかチェックする為に、関節の可動範囲を検査していきます。

〈頸部〉
後屈   70度/90度
側屈  右20度/30度
左30度/30度

〈胸部〉
後屈 ROM↓
前屈 ROM↓

〈腰部〉
後屈   ROM↓(左側腹部に痛み)
側屈  右ROM↓(左側腹部に痛み)
左ー
kemp    右ROM↓(左側腹部に痛み)
左ー

〈股関節〉
SLR
右85度/90度
左85度/90度

Patrick
右70度/90度
左60度/90度

かかえこみ
右内側ROM↓
左内側ROM↓

〈足部〉
足関節
右ROM↓
左ROM↓

リスフラン
右ROM↓
左ー

関節の可動域の検査で動きづらい部分が分かりました。
・腰部の右後ろ、右横、後方に倒す動作
・股関節を外に開く動作(特に左)
・頸部の後屈動作
・両足関節の背屈動作
・右リスフラン関節の動作不全(3年前に捻挫したことが原因)

足先・足裏の感覚は、内側・外側足底神経に支配されています。
その内側・外側足底神経は、腰からスタートして、太腿の後ろ側を下降し、足首の内側を通り、足の裏に至ります。
その通り道に阻害する組織があると、痺れや感覚異常として症状が現れます。

今回の女性では上記の動作不全が、足先・足裏の痺れに関係していると考えられます。

≪カラダの使い方≫
関節の検査をもとに、普段のカラダの使い方をチェックしていきます。
カラダを悪くしてしまった原因がここにあります。

①ノートPCをそのまま使っている
一般的なオフィスの机は高さ72cmに設計されています。
こちらの女性は身長が170cmありますが、机でそのままノートPCを使っていた為に、目線の高さにモニターがあっていませんでした。
モニターに姿勢を合わせようとして、骨盤を後傾して腰を後ろに曲げた状態で座っていたようです。
更に一度座ると長時間立つことが無くなるそうで、大腿後面の内側に圧がかかり続けて、組織が硬くなっていたようです。

②ヨガの姿勢で腰部後弯していた
ダウンドックを行う時に腰部後弯の姿勢が見られました。
腰を後ろに曲げた状態では、神経の通り道が狭くなってしまう為に、ヨガを継続していた時に痺れが増してきたようです。
ヨガは背骨の正しいS字カーブ保ちながら行うことが大切です。

③20代の頃にヒールを履いている生活が多かった
ヒールを履いている時間が長いと、足部に背屈制限が現れてきます。
特に今回のケースでは足関節の屈筋支帯や内側靭帯などがタイトになっていたので、内側に負担をかけるような立ち方になっていたようです。

≪結果≫
左脇・腰の違和感、足先・足裏の痺れが消失したので集中治療期間終了
現在はより疲れないカラダ作りの為に継続来院中
ヨガの時にも正しい姿勢を取り入れて楽しまれています!

<集中治療部位>
股関節の前部線維、ハムストリング、足関節の屈筋支帯・内側靭帯周囲の軟部組織治療
<セルフメンテナンス>
股関節前面ストレッチ、大腿後面ストレッチ、足関節ストレッチ、コアトレーニング(プランク)

【臨床を振り返ってみて、浅川先生からの感想】
ご自分の身長とノートPCの使い方とのギャップでカラダを痛められていました。
身長170cmに対して、一般的な高さ72cmのオフィス机にノートPCを置いてお仕事をされていたのが原因でした。
腰は後ろに曲げて使う時に壊れやすく、神経の通り道を狭くしてしまいます。
なおかつ、長時間の座り姿勢は神経が通っている大腿後面を圧迫します。
低い位置のモニターに姿勢を合わせようとして、骨盤を後傾して腰を後ろに曲げた状態で座っていた姿勢が長期間続いている為に、左脇腹から左腰の違和感、足先・足裏の痺れに繋がっていたようです。

気になる症状としては仰っていませんでしたが、足の冷え性も改善されていました。
足に血液を送る血管は神経の走行と似通った場所を走っています。
血管周囲の組織が動きやすくなったことで、血液の流れが改善したようです。

ヨガや筋トレを楽しむ為にも、正しいカラダの使い方を取り入れてもらいました!
背骨の正しいS字カーブを保ちながら行う事で、腰の違和感や足の痺れを感じることはなくなったようです。
ダウンドックはハムストリングの硬さがあったので、膝を曲げることが背骨のS字カーブを保つコツです。

既にご自分でカラダを動かす習慣があったので、必要なのは正しいカラダの使い方のコツをお伝えする事でした。
「カラダをしっかり治したい」から「より疲れないカラダを作りたい!」と目標もシフトされたので良かったです!
引き続き伴走させて頂きます^^

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